2023/12/19 20:25

かすみそうベーカリーの商品は、高加水生地をすべて手混ぜで仕込んでグルテンをあまり作らないようにしています。グルテンを作らない為、最低限しかボリュームは出ません。
なので、他店と比較すると、同じ重量でもかすみそうのパンたちは基本的に小さめです。
近年、小麦(特にグルテン)が体に悪いと言われます。グルテンフリーへの意識の高まり、グルテンフリー商品の増加などはその結果と言えるでしょう。お店でも、米粉パンをお求めのお客様がいらっしゃることがあります。「ごぱん」という小麦の生地に玄米を使用したパンを販売していることもあり、勘違いされても仕方ないですよね。
しかし、度々疑問に思うのは、米粉パン、特にグルテンフリーのパンを求めるのはなぜなのかについてです。なんとなく体に良さそうだから、という理由で選んでいないでしょうか。
確かに、アレルギーを引き起こす人もいますし、害についても一定の認識はあります。
ただ、小麦がどのような影響を及ぼすのか知らずに体に悪いものと決めつけてしまっている人も一部見受けられます。センセーショナルな言葉が独り歩きし「小麦=悪」だとされてしまうことには疑問を持たざるを得ません。
自分自身、小麦を扱う仕事をしているので、小麦についての本をもとにネットの情報も参考にしながら、小麦がなぜ悪いのか、体にどのような害を与えるのか色々調べています。
そのような事を考えながらたどり着いたのが今の商品スタイルです。
ミキサーではなく、手混ぜで生地を作る。グルテンを出来るだけ作らない、消化吸収しやすく、体に負担をかけにくいパンを目指しています。
(ただし体への負荷を科学的に調べたわけではありません)
しかし、このやり方が正しいとは全く思っていません。あくまで、小麦をメインに使うパン屋として、小麦が体に及ぼす影響を考慮した上での一つの帰結にすぎません。自分のエゴでもあります。
小麦は排除すべきと言う人もいますが個人的にアレルギーが出なければ食べても良いと思っています。
必要なのは排除ではなくどう付き合っていくかという視点ではないでしょうか。
もちろん、パンも米粉で作れば良いという意見もあるでしょう。しかし、米農家も減少の一途をたどり、米粉の品質の向上も求められる中、需要が増加しても安定した原料確保は行えるのか。何かを否定するにしろ肯定するにしろ、一面的な見方だけではなく、多角的な視点で考えなければならないと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。